地方における人口減少

大学進学や大企業への就職を目指して、東京に地方の若者が流れる構図が目立っています。東京都が増加数、増加率ともにトップで、東京一極集中の傾向が続いています。他の三大都市圏は、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)が0.37%減、名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)が0.38%減と、人口減少期に突入しています。
東京一極集中の一方、地方の人口減少に歯止めがかかっていません。出生数の減少傾向が続く中、昨年1年間に生まれた子どもの数が10人未満の自治体は、前年より4多い96町村でした。2000年以降では、10人未満の自治体が最も多かったのは、2003年の156町村でした。平成の大合併のピークだった2005年を経て、2006年には61と急減しました。人口規模の小さい自治体が周辺と合併したためとみられ、その後はまた徐々に増加しています。
政府は、この流れに歯止めをかけるために、官民のデジタル化の加速など地方分散に向けた取り組みを強化しています。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、3密を避ける対策として、地方のデジタル化が進み、テレワークなどの取り組みが定着すれば、都市部の職場に通勤するために、東京近郊に住む必要がなくなり、一極集中の是正につながる可能性が出てきます。若い人の雇用を確保する地方都市の強化が重要となってきます。

 

(2020年8月6日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。