生活面や学習面で困難があり、教育上の配慮が必要な子どもは、発達障害に対する理解の広がりを受けて、通常の小中学校でも増えています。文部科学省が2012年に行った調査では、通常学級に通う児童生徒の6.5%に、注意欠陥多動性障害の可能性があると指摘されています。こうした子ども達の受け皿となるのが、小中学校内に置かれた特別支援学級や、通常の学級に在籍しながら、別室で専門の指導を受けられる通級指導です。
昨年度の特別支援学級の児童生徒は約28万人で、2007年度から2.5倍に増えています。1学級8人で、小中学校の約8割に置かれています。通常の学級指導のほか、障害などの程度に合わせたカリキュラムが作られています。通級指導は、一部の小中学校で開設され、音読や計算が苦手な子ども達が週に数時間、特別な指導を受けています。2018年度からは高校でも始まり、昨年度は小中高校生の約13万人に上っています。
特別支援学級は手厚い教育を受けられることより、在籍する子どもが急増しており、全国で教室不足などの問題が起きています。文部科学省の昨年5月の調査によれば、全国の特別支援学校で、学級数に対して計3,162教室が不足していました。2016年の前回調査からは改善していますが、高知県以外の全都道府県で教室不足がみられています。
(2020年8月14日 読売新聞)
(吉村 やすのり)