ポリオ根絶への活動

ポリオは、子どもに手足のマヒなどをひきおこす感染症です。ウイルスで汚染された水を飲んだり、ウイルスをさわった手で口にふれたりして感染します。世界保健機関(WHO)は、8月25日、アフリカ地域で野生株ウイルスに自然感染した患者が4年前から見つかっていないため、根絶したと宣言しています。あと残っている国は、パキスタンとアフガニスタンの2カ国です。ワクチンが予防に効果がありますが、武装勢力が多くいる地域では接種が難しくなっています。
世界のどこかに患者がいれば、日本を含めて世界中でワクチン接種は続いています。WHOは、1988年に世界から根絶を目指すと決めて活動してきています。現在は、感染の危険がない不活化ワクチンを注射で打っていますが、日本も以前は生ワクチンを使っていました。生ワクチンの接種により、マヒなどの副反応が出ることがあります。生ワクチンは効き目がよく、口から飲み込んで使います。注射を打つ必要がないので、看護師などが足りない途上国でも便利です。しかし、副反応のことを考えれば、不活化ワクチンへの切り替えが大切です。感染症の根絶のためには、ワクチン接種が是非とも必要です。

(2020年9月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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