文部科学省によれば、18歳人口は1992年度から減少傾向で、2020年度は6割弱にまで落ち込みました。一方、大学はこの間に1.5倍の795校に増加しています。中でも公立大学は2.3倍の94校に増えています。近年は経営難で撤退する私立大学を地元の自治体が引き受け、公立化する例が目立っています。18歳人口は今後も減る見込みで、中央教育審議会の2018年の答申では、大学進学者数が2017年の約80%の規模に落ち込むと推計されています。
地方は18歳人口の減少が深刻で、地域がしぼむと大学も共倒れになるという危機感が強くなっています。学生を確保し、大学を存続させるには、社会の変化に応じた質の高い教育の提供が不可欠ですが、教職員の数や専門分野が限られる小規模な大学では即応が難くなっています。少子化が進行化する中、国立大学の法人統合など様々な形の大学再編が地方で目立ってきています。いずれも地域の活性化を掲げており、東京一極集中を是正する一助になることが期待されます。
(2020年9月11日 読売新聞)
(吉村 やすのり)