インフルエンザの患者数が異例の低水準となっています。厚生労働省による今シーズン初の公表によれば、9月6日までの1週間に報告された患者数は3人で、2019年同時期の1千分の一以下に低下しています。新型コロナウイルス対策で国民の衛生意識が高まっていることなどが背景にあるとみられます。
8月31日~9月6日の1週間に全国約5千カ所の医療機関から報告された患者数は、岐阜県、大阪府、沖縄県で1人ずつです。例年はこの時期でも数百人が報告されており、2019年同時期は沖縄での大流行により3,813人に上っていました。2019~2020年のシーズンは、2020年2月ごろに減少傾向となり、推計患者数の累計は前シーズンから4割減の729万人でした。新型コロナの感染拡大で外出自粛や感染症対策が広がった影響と思われます。
(2020年9月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)