煙草とがん

煙草が“がん”の最大の原因であることは、古くから知られた医学的事実である。煙草の煙の中には数十種類の発がん物質が含まれている。煙草は肺がんのみならず、ほとんど全てのがんを増やし、喫煙により肺がんは4.5倍、咽頭がんは30倍に罹患率が上昇する。アルコールでもがんは増えるが、煙草により増悪し、リスクがさらに高まる。特に煙草を吸っている本人のみならず、受動喫煙によってもがん罹患者が上昇することも問題である。

煙草は直ちに禁煙すべきである。今日から止めるべきである。お酒も控える方が良いが、なかなか難しい。塩分を控えたバランスの良い食事習慣が大切である。がんの原因は3分の1が煙草、3分の1が飲酒その他の生活習慣病、3分の1が遺伝的な要因と考えて良いであろう。

 

(2014年5月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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