厚生労働省の発表によれば、2018年度の児童虐待による死亡事例の検証結果で、73人（前年度比8人増）が死亡していたことが分かりました。心中を除くと54人で、このうち死因となる主な虐待の類型は、育児放棄（ネグレクト）が25人で初めて最多となりました。これまで最も多かった身体的虐待は今回23人でした。死亡した子どもの年齢は、0歳が全体の4割に当たる22人となり、例年同様に最多でした。生後0カ月が7人おり、いずれも生まれた日に死亡しています。児童相談所や市区町村の虐待対応部署が関与できていないケースがほとんどであり、産褥期には産後うつや育児ストレスなどに苦しむ女性も多く、産後ケアの充実が望まれます。
妊婦健診未受診だった子どもが12人です。予期しない・計画していない妊娠による子どもが13人であり、妊娠期から医療施設や行政機関が連携しケアする周産期支援が重要になります。
（2020年10月1日 日本経済新聞）
（吉村 やすのり）
