女性の社会進出を促す視点より、配偶者控除が見直されている。妻の年収が103万円を超えると控除額が減ることから、103万円を上限にして働く時間を調整する主婦が多い。これが“103万円の壁”と言われ、女性の社会進出を阻害する要因と考えられてきた。
そこで政府が考えているのが、家族控除という制度である。配偶者控除をなくす一方で、夫婦それぞれの基礎控除を38万円として、合算できる控除額を76万円とするものである。これにより妻が103万円を意識することなく働くことができる。配偶者控除の廃止による増収分を、子育て支援のために使用するなどの措置が必要となるであろう。
(2014年5月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)