大阪大学の研究グループは、マウスの性別を決定するタンパク質を発見しました。このタンパク質は、これまで性別を決めると考えられてきたタンパク質とは別のものです。ほぼ全ての哺乳類は、性染色体をXとXのペアで持つと雌、XとYで持つと雄になります。チームはこのうち、Y染色体にあるSryという遺伝子を最新の手法で解析し、これまで知られていなかったタンパク質SRY-Tを作っていることを突き止めています。
XY型の染色体を持ち、雄になるはずのマウスの胎児の遺伝情報を操作し、このタンパク質を作れなくすると、卵巣を持った雌が生まれました。逆に、雌になるはずのXX型にこのタンパク質を強制的に作らせると、精巣を持った雄が生まれました。
(2020年10月2日 産経新聞)
(吉村 やすのり)