夫婦が理想とする子どもの数

出生数は減少する一方です。親になりうる世代の減少や晩婚、晩産化を背景に、1年間に国内で生まれた日本人の子どもは、2016年に初めて100万人を割り、昨年は86万5,239人と統計がある1899年以降で最少となりました。1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数を示す合計特殊出生率も1.36で、人口維持に必要とされる2.07を0.71ポイント下回っています。
一方、2015年の出生動向基本調査では、夫婦の理想的な子どもの数は2.32人で、1970年代からあまり変化がみられません。理想と現実にギャップがあることがうかがえます。
理想の子どもの数を持たない理由として最も多いのは、子育てや教育にお金がかかりすぎるが56.3%です。高年齢で生むのはいやだからが39.8%、欲しいけれどもできないからが23.5%と続きます。身体的、年齢的な理由よりも経済的な負担感が上回ります。特にひとり親世帯は貧困状態に陥りやすく、2018年のひとり親世帯の子どもの貧困率は48.1%です。ひとり親世帯に限らなくても、子どもの約7人に1人にあたる13.5%が貧困状態にあるとされます。

(2020年10月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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