千葉大らの研究グループは、iPS細胞からつくったがんを攻撃する免疫細胞を、口や鼻などにがんができる頭頸部がんの患者に移植して治療しています。、がんの患者にiPS細胞を使った治療がされるのは国内で初めてです。治験の計画では、2年間で頭頸部がんの患者4~18人に対し実施する予定です。
移植で使われた細胞は、ヒトの体内にわずかしかないナチュラルキラーT(NKT)細胞と呼ばれる免疫細胞です。がんを攻撃したり、ほかの免疫細胞を活性化させたりするはたらきがあります。健康な第三者の血液から採ったNKT細胞から、iPS細胞をつくり、大量に増やします。それを再びNKT細胞に変化させて患者に移植します。
(2020年10月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)