コロナうつによる自殺者の増加

新型コロナウイルスの感染拡大により、コロナうつという言葉も生まれ、こころの不調を訴える人が増えています。特に若い女性への影響は、自殺者が増えるなど深刻です。8月の男性の自殺者数が前年同月に比べ10%増だったのに対し、女性は45%も増えています。特に20歳未満の女性は前年同月の3.6倍で、30代、40代も1.5倍以上に増えています。9月も女性の自殺者数は640人と、前年より33%増えています。
日本では、家庭を持つ女性が家事や育児に犠牲を払わざるを得ない家族の形態があり、女性に負荷がかかっています。コロナの感染拡大で先が見えない不安に加えて、保健師による相談室などに行けなくなってしまっています。不安は止まらなくなることがあり、死にたいと思ったときにその場所から離れて、安心できる人と話せる安全な場所があることが重要です。妊産婦は特に不安になる可能性があると指摘されています。休校で子どもが家にいる時間が増えたり、高齢者介護の必要性が出てきたりと、女性の負担が増えストレスが強くなります。
コロナ禍で行動変容を求められた結果、不安や抑うつが高じてきています。

(2020年10月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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