GDPに占める社会保障費

病気や貧困から国民を守る社会保障制度は、19世紀後半に鉄血宰相ビスマルクが礎を築きました。当初は労働省の過激化を防ぐ目的で導入した制度でしたが、参政権を求める運動が拡大し、民主化が進むとともに発展してきました。コロナに揺さぶられる安全網をどう立て直すかが問題となります。
先進国では社会保障が拡充された一方、いずれの国でも給付が次第に国家の重荷となってきています。新自由主義は格差拡大をもたらしたとして、2008年の世界金融危機後に揺り戻しが起きています。しかし、社会保障の支え手である若者が減り、支えられる高齢者が増える現象は各国で共通しています。持続可能な社会保障づくりが急務です。
コロナによって揺さぶられているセーフティーネットである社会保障費の増大をどう立て直すかが、ポストコロナの国家の興亡を左右することになります。

(2020年10月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。