新型コロナウイルスの感染者の増加ペースは速くなっています。6月28日に1,000万人を超え、その後、1,000万人ずつ増える期間は次第に短くなっています。4,000万人に達した10月19日から、20日間で5,000万人を超えました。
10月以降、欧州と北米で増加ペースが加速しています。直近1週間の新規感染者を見ると、欧州が5割、北米が2割で、欧米が全体の7割を占めています。11月に入って1日あたりの新規感染者数は50万人を上回っています。
欧州は、4月の第1波と比べて、直近の感染拡大の勢いが著しくなっています。11月に入ってからの感染者は、1日あたり25万人を超えており、第1波ピークの3.5万人と比べて約8倍のペースになっています。多くの国で過去最多を更新中です。夏休みで人が広範囲に移動したため、再拡大を引き起こしました。気温低下を受けて屋内での活動が増えて密になり、感染しやすくなった要素も指摘されています。10月下旬から欧州各国は、ロックダウンなど厳しい行動制限へ再び舵を切っています。
アジアでは、中国など感染が抑制された国もありますが、インドがアジア全体の感染者数を押し上げています。インドはアジアの累計感染者1,000万人余りのうち8割を占めています。
(2020年11月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)