新型コロナウイルス感染者の致死率は高齢者ほど高くなっています。6月以降に診断された6月以降に診断された人の中で、死亡した割合は50代以下で0.06%に対し、60代以上は5.7%に達しています。高齢者では、高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある人が多く、重症化しやすいとも考えられています。厚生労働省によれば、感染した重症患者のうち、入院後に死亡した割合は、春先の第1波で19%に対し、6月以降の第2波では10%とほぼ半減しています。治療法が徐々に確立し、医療体制も整備されてきたことが理由として挙げられます。
国立感染症研究所の報告によれば、9月21~27日のインフルエンザ、手足口病など他の感染症の報告数は過去5年間の同時期より大幅に減少していますが、コロナは収束の見通しが立っていません。対応の難しさは新型コロナの特徴にあります。感染対策の基本は、感染源を特定し、隔離などで他との接触を断つことですが、新型コロナは、多くの感染者が無症状か軽症のため、無意識のうちに感染を拡大させてしまいます。
(2020年11月11日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)