世界各国の高齢化

アフリカの人口増により、今世紀末の2100年には、世界の人口の4割近くを占めることになります。国別ランキングでも、ナイジェリアを筆頭に5か国が上位10か国のリストに名を連ねています。この大陸が活力に満ちた世界になるのか、それとも混乱続きの地域になるのか、それは世界の安定に大きく関わってきます。
それ以上に重要かつ、大きな流れは、世界全体の高齢化です。国別の年齢中央値はいま日本が48.4歳で1位です。世界全体ではまだ30.9歳ですが、今世紀末には11歳も上の41.9歳になります。途上国でも少子高齢化が進むためです。東南アジアでも、出生率の低下に伴って年齢中央値が上がり始めています。タイは既に40.1歳で、2050年には49.7歳に跳ね上がります。日本に多くの人材を送り込んでいるベトナムは32.5歳ですが、2050年には41.2歳になります。

これらの国は先進国と同様に高齢化への対応がいずれ大きな課題になってきます。一方で経済成長は続き、先進国との豊かさの差は縮まってきます。その結果、途上国を出る移民が減り、その少ない移民を先進国が奪い合う事態もありうることになります。少子高齢化が一段と進む日本は極めて厳しい状況が続くことは言うまでもありません。

(2020年11月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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