欧州各国は、新型コロナウイルスの第2波に見舞われ、再びロックダウン(都市封鎖)に踏み切っており、規制期間の延長を余儀なくされています。フランスは、11月6日に6万人を超えた1日の新規感染者数は、先週2万5千人程度まで減少しています。一部地域でロックダウンをしているイタリアは、1日の死者数が24日、853人に上り、3月末の水準に達しました。
感染拡大に慌てて学校や商店の多くを閉めた春のロックダウンと比べ、各国とも今回は学校を維持し、工場の稼働を認めるなど、緩やかさがみられています。経済を再び大きく傷つけないよう、腐心した結果です。春よりも、各国でさらなる感染の急拡大は免れた形です。しかし、高止まりしたままで、春のような封じ込めには至っていません。コロナ不況や市民の規制疲れを避けたい各国は、クリスマス商戦をにらんでの緩和を模索しています。
(2020年11月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)