わが国において、去年の4月より妊婦の血液から胎児の染色体異常を見つける新型出生前診断が始まっている。わが国ではシーケノム社製を用いて、米国で検査されており、現在、21番、18番、13番の染色体のトリソミーを調べている。シーケノム社によれば、米国では16番、22番、性染色体とともに染色体のわずかな欠損である微小欠失症候群も検査項目に含まれるようになり、今後も検査項目が拡大されることが予想される。
検査技術の進歩にともない、全ての胎児の遺伝情報を調べることができるようになる時代がすぐに来るであろう。これら新しい医療技術をどのように使用するのか、希望するクライエントにどのように説明するのか、国民が検査をどのようにとらえるかなど、議論すべきことは多い。
(2014年5月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)