社会保障の分野では、高齢者に偏りがちな給付を見直す全世代型社会保障改革を進めます。少子化対策として、2021年1月から不妊治療の助成制度を拡充します。2022年4月に公的医療保険を適用するまでの間の措置としています。2020年度第3次補正予算案に370億円を計上しています。体外受精や顕微授精といった高度な不妊治療を受けた場合の助成は現在、初回の治療で上限30万円、その後は1回につき上限15万円となっています。これを2回目以降も上限30万円にします。所得制限を撤廃し、事実婚の夫婦も対象にします。現在最大6回の助成回数も、子ども1人につき最大6回までとします。2021年度から2024年度末までに14万人分の保育の受け皿整備も進めます。
来春から待機児童解消のための新たな対策である新子育て安心プランを始めます。2024年度末までに保育の受け皿整備や保育士の人材確保、利用者のマッチング促進など、総合的な子育て支援として969億円をあてます。
児童虐待対策・社会的養育の推進には1,735億円を計上しています。児童虐待や里親支援などを行う児童相談所などに専門的な人材を確保します。不育症検査の助成事業を創設し、12億円をあてます。小児や15~39歳のAYA(思春期・若い成人)世代のがん患者が、がん治療前に卵子や精子、卵巣組織などを凍結しておく妊孕性温存療法の負担軽減へ新たに11億円をあてます。
(2020年12月22日 日本経済新聞) (2020年12月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)