日本企業の女性役員比率は、海外企業に比べて低く、2020年の上場企業の女性役員数は2,528人で、全体に占める割合は6.2%にとどまっています。政府や経団連は、このほど2030年までに役員らに占める女性比率を30%に引き上げる目標を策定しましたが、2015年に掲げた2020年に10%の目標にも達していません。
海外企業は、女性役員への経営参加を積極的に進めてきています。主要企業の取締役会に占める女性比率は、米国が26%、英国は31%あるのに対し、日本は9%弱にとどまっています。日本企業の女性役員は社外取締役が多く、社内昇格が少ないのも課題です。
経営陣の多様性を高めるには、女性の起用が欠かせず、投資家も圧力を強めています。取締役会に様々な視点がないと最良の意思決定はできず、多様性が中長期的な企業パフォーマンスに直結します。女性の雇用や昇進などのデータを基に構成するMSCI日本株女性活躍指数を使った上場投資信託の基準価格は、前年末を基準にすると、東証株価指数を上回って堅調に推移しています。
(2020年12月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)