在宅勤務の定着

日本経済新聞の調査によれば、在宅勤務を定着させるべきだと答えた人は、56%に上っています。在宅勤務の定着を望む割合は若年層ほど高く、10~30代は76%、40~50代は60%、60歳以上でも42%でした。定着させるべきではないは36%でした。

在宅勤務は、管理職の負担が増えるとの指摘があります。管理職に相当する層で、労働時間が1年前より長くなっています。世帯年収1千万円未満の層は、労働時間が短くなったが、長くなったより多くなっています。しかし、1千万円以上では、長くなったが上回っています。在宅勤務の部下に仕事を頼めず、残業が増えたという管理職が多く、コロナ下では管理職の負担増に配慮が必要です。

テレワーク実施率は、内閣府の調査によれば、地域や業種でも差がみられます。テレワーク実施率は、東京23区で42.8%に上っていますが、全国平均は21.5%でした。導入のしやすさは業種によって差があります。情報通信業は実施率が65.6%に達しています。対面の業務が多い小売業は11.1%、医療・福祉は4.8%、保育関係は1.4%にとどまっています。

経済力の維持には生産性の向上が必要になります。方法の一つは女性の社会参画を増やすことですが、そのためには、育児や子育てを夫も妻も同じように行うことが必要になります。コロナ後の社会に向けては、女性管理職の増加も見据えて、在宅勤務を使いやすくする改善が欠かせません。

(2021年1月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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