東京商工リサーチによれば、新型コロナウイルス関連の倒産が1千件に達したと発表しています。緊急事態宣言の1カ月延長が決まり、公的支援などでつないできた零細企業にとって、苦しい状態がさらに続くことになります。1件目のコロナ関連倒産は昨年2月下旬に発生し、500件に達したのは、約7カ月後の9月中旬です。その後4カ月余りで1千件に達しました。
業種別にみると、最も多いのは飲食の182件です。建設83件、ホテル・旅館62件と続きます。訪日観光客の減少や外出自粛の影響が大きいサービス業が打撃を受けています。都道府県別では、東京247件、大阪94件、神奈川55件の順です。2008年のリーマン・ショック時と異なり、今回は中小、零細の倒産が大半です。5人未満の企業が約半数を占め、従業員数50人以上の倒産は約5%にとどまっています。
緊急事態宣言の延長を受け、経済産業省は飲食店の取引業者や売上高が激減した中小事業者向けの一時金について、法人向けの支給額を40万円から60万円に、個人事業者向けを20万円から30万円に引き上げます。3月上旬の申請受付の開始を目指しています。この他、中小企業の事業転換にかかる費用を補助する事業再構築補助金も拡充します。
(2021年2月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)