東京商工リサーチの発表によれば、都内企業の2020年の休廃業や解散が、1万2,357件で前年比22.8%増に上がっています。6年連続で最多を更新しています。新型コロナウイルスの影響で、経済の先行きが不透明になり、高齢の経営者が事業継続の意欲を維持できなくなったとしています。
休廃業・解散は、倒産以外で事業活動を停止することで、産業別では、飲食、宿泊などを含むサービス業他が最多の4,345件と、全体の35.2%を占めています。このうち飲食店は473件で、前年比15.6%増でした。サービス業他の次に多かったのは、情報通信業で1,303件の10.5%です。製造業が1,203件の9.7%と続いています。前年の件数を上回ったのは、運輸業だけでした。
休廃業や解散した企業の代表者の年齢は、70歳代が38.5%で最も多く、70歳以上が調査開始以来初めて全体の6割を超えています。後継者育成が進まないまま、代表者が高齢化していることがうかがえます。
一方、倒産は前年比11.9%減の1,392件で、逆に減少しています。新型コロナ感染拡大を受けた政府や金融機関などの支援策に、一定の効果があったと思われます。
(2021年2月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)