接種方法
インフルエンザワクチンは、不活化というタイプで、ウイルスの表面たんぱく質が入っています。ファイザーやモデルナ製の新型コロナワクチンは遺伝情報物質のmRNAを投与します。体内でmRNAからウイルスの表面たんぱく質が作られます。mRNAワクチンは不活化ワクチンと比べて免疫を起こす力が高くなっています。
そのため、接種の仕方も違います。インフルエンザは皮下組織に入れますが、新型コロナはより深い筋肉まで注射します。皮下注射は成分がゆっくり吸収され、効果が長持ちします。筋肉注射は、皮下注射に比べて副作用が少なく、抗体ができやすいとされています。海外では筋肉注射でワクチンを投与するのが一般的です。
ファイザーやモデルナのワクチンも筋肉注射で効果を確認しています。日本の承認審査では、海外のデータも参考にするため、筋肉注射になります。皮下注射では、効果や副作用が筋肉注射と異なる可能性があります。
(2021年2月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)