政府は2021年度から、情報・AI(人工知能)、量子、マテリアル(素材)の3分野で、大学の博士課程の学生を対象に生活費などを支援します。約1千人に年間200万円超を給付します。経済的な不安を解消し、人材のニーズの高まる分野で、国際競争力の低下を防ぐことが目的です。
国は、産学を通じて人材ニーズの高まる分野として、①国際競争が激しいAI技術、②情報処理や通信技術の開発などに必要な量子技術、③高性能素材の開発を担うマテリアルを指定しています。
対象の学生は、3年間にわたり、年間200万~250万円の給付を受けられます。生活費は2カ月分を定期給付し、研究費は本人が立て替えた分を実費で支給します。国が3分の2を補助し、残りを大学が負担します。対象人数や支給金額の規模は、これまでの博士学生への経済支援を大きく上回っています。支援を継続すれば、学部学生や高校生以下にも動機づけとなり、人材育成や研究力の維持につながります。
(2021年2月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)