厚生労働省の3月1日時点のまとめによれば、累積のクラスター件数は、高齢者施設が1,089件で最も多く、飲食店が972件、医療機関が920件でした。高齢者施設は昨年10月26日時点で215件でしたが、現時点では5倍に増加しています。
高齢者施設においては、職員向けの検査は定期的に、新規入所者にも随時すべきです。定期的な検査と、発熱者が出たら随時検査できる両方の体制が必要になります。クラスターを止める手段を第一に考え、高齢者や持病がある人を守るための対策を考えなければなりません。
地域の感染状況によって検査の目的は異なってきます。陽性者を確認して感染拡大を防ぐためならば週一の頻度、感染者がいるか監視するためなら1カ月、2カ月に1度でも良いと思われます。地域でクラスターが起きれば、周囲で集中検査をする臨機応変な対応が求められ、自治体の判断と実行力が試されます。
(2021年3月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)