昨年3月に新型コロナウイルスの感染拡大を受けて始まった全国一斉休校から、1年が経過しました。最長3カ月にも及んだ異例の措置は、子どもたちの学習や心身に影響を及ぼし、今後もそれらが表面化する可能性があります。世帯間の教育格差も浮き彫りとなっています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、昨年6月に小中高生がいる2,000世帯に実施したアンケートでも、世帯所得による差が鮮明になっています。
一斉休校中に子どもの集中力がかなり低くなっていると回答した割合は、低所得の世帯ほど高い傾向にあり、世帯所得400万円未満では生活習慣が乱れる傾向もみられています。家庭でカバーしきれない状況がうかがえます。学校は、学習、課外活動、給食などをあらゆる層に提供してきました。それを家庭で埋められる子どもとそうでない子どもがいます。学習内容の理解が追いつかない子への個別補習を学校がするなど、それぞれに伴走する支援が必要となります。
(2021年3月23日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)