臨床研究の不正

製薬会社大手のノバルティスファーマが、高血圧症治療薬を巡る臨床データ操作事件で、製薬会社の社員が薬事法違反で逮捕された。医薬品の臨床研究においてノバルティス以外にも、不正や疑惑が相次いで発覚している。製薬メーカーは薬の効果を権威付けするため、医師に裏付けとなる論文を作成してもらうことが多い。一方医師側は研究のための寄附金や論文作成費用を請求したり、社員に労務提供を依頼することがある。厚労省も臨床研究に対する罰則を伴う法整備する検討を始めている。

現在大学では、多くの寄附講座が存在する。これにより大学の研究者である医師と製薬企業の癒着が発生する可能性がでてくる。本来の臨床研究とは関連性のない寄附講座であったとしても、製薬企業から資金援助を受けていれば、研究の中立性を保つことが難しいのではないだろうか?

(2014年6月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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