近視の予防と対策

日本人に最も多い近視は、軸性近視と呼ばれるタイプです。目の表面から網膜までの長さを眼軸長と呼び、この距離が長くなることが原因です。眼軸長は平均で24㎜ですが、数㎜でも長くなると、ピントが網膜の手前で合ってしまい近視となります。
眼軸長の伸びは、半数以上の日本人にみられます。眼軸長が27㎜以上になると、強度近視と診断されます。眼球が変形するまで近視が進んでいる状態で、網膜の組織や視神経などに負担がかかります。強度近視になると、近視性黄斑症、網膜剝離、緑内障など視力に障害をもたらす病気のリスクを高めることが分かってきています。
近視と診断されたら、未成年は半年に1度、成年は1年に1度眼科で検査を受けることが大切です。軸性近視の進行を抑制するには、目の調節筋をリラックスさせる成分を含んだ点眼剤の利用やオルソケラトロジーという手法があります。オルソケラトロジーは、特殊なハードコンタクトレンズを使って角膜の形状を矯正します。
近視が進行して強度近視にならないためにも、生活習慣を改善することも大切です。本は30㎝以上離して読む、スマートフォンやゲーム機は、1時間使ったり遊んだりしたら、5~10分間目を休めるなどの生活習慣を改善すべきです。子どもなら外遊び、成人なら散歩など外に出て太陽光を浴びることも有効です。

(2021年4月3日 日本経済新聞)

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