家庭内感染で子を守るためには

文部科学省によれば、昨年6月~今年1月に、新型コロナの感染を確認した小中高校と特別支援学校の児童生徒は1万2,107人です。このうち56%が家庭内感染です。割合は小学生が79%、中学生が63%、高校生が33%で、いずれも感染経路の中で最多でした。
保護者が新型コロナウイルスに感染した場合、小さな子どもへの感染を防ぐために、児童相談所や医療機関、ベビーシッターの利用など、各自治体が、親子が離れて生活できる仕組み作りに取り組んでいます。
大阪府は宿泊施設1棟を借り上げ、保護者が感染した子どもを預かって児童相談所の職員が交代で24時間対応しています。子どもたちは児相が組んだ勉強や食事、自由時間などの日程に沿い、宿泊施設の部屋で1日を過ごします。感染していないことが確認できた子どもだけが対象です。濃厚接触者のため、通学したり外で遊んだりすることはできません。一時保護の期間は平均5,6日程度です。
しかし、小さな子どもを預けるのは心配と、自宅療養しながら世話する保護者もいます。別々の部屋で過ごすことなど感染防止策を指導していますが、親に近づきたがる小さな子を濃厚接触者にしないのは難しく、子どもの健康観察を徹底してもらい、体調に異変があったら保健所が対応できる体勢を整えている自治体もあります。感染予防の観点では親子が離れた方が良いのですが、そう割り切れない人も多く、どのように対応すれば良いのか、相談できる仕組みを整えておくことが大切です。

(2021年4月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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