国会の定数は、公職選挙法で衆院465、参院248の計713と決まっています。税負担などの観点で議員数を減らすべきだといつも指摘されています。世界の国会議員が参加する列国議会同盟(IPU)が2021年3月時点で公開しているデータをみると、日本は192カ国のうち法定議席数が8番目に多くなっています。最多は中国の全国人民代表大会の3,000で、二院制の英国、イタリア、フランスが続いています。
しかし、人口比でみると、日本の議員1人あたりの人口は18万人弱です。日本より多いのは17カ国に限られ、経済協力開発機構(OECD)に加盟する37カ国では、米国とメキシコだけです。日本は議員定数が多すぎるとの批判はよく耳にしますが、人口規模のわりに国会議員の少ない国といえます。
衆参両院の定数は戦後と比べるとほとんど変わっていません。現行憲法を施行した1947年の時点で衆参あわせて716でした。大都市の人口増加に伴う積み増しや沖縄県の本土復帰による増員などを経て、衆院定数は1986年に512まで膨らみました。1994年の政治改革で、議席を500に減らしたのを機に、段階的に減らしています。
(2021年4月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)