憲法45条は、衆院議員の任期を4年と定めています。衆院解散の場合は、その期間満了前に終了すると記しています。列国議会同盟(IPU)のデータによれば、日本の衆院にあたる下院と一院制議会の任期で最も多いのは5年です。189カ国のうち、英国、フランス、イタリアなど103カ国が該当します。日本と同じ4年もカナダやドイツなど、74カ国と多くなっています。オーストラリアやメキシコなど7カ国は3年、米国とミクロネシアの2カ国は最も短い2年です。
日本は、憲法46条で参院の任期を6年と定めています。3年ごと半数を改選し、解散はありません。IPUのデータで任期が記載されている73カ国の上院をみると、日本を含め6年が18カ国あります。仏上院の元老院は、日本同様に3年ごとに選挙がありますが、日本のような直接選挙でなく、地方議員らが間接的に選んでいます。米上院も6年で、2年ごとに3分の1を改選します。2年ごと全員を選ぶ下院、4年ごとの大統領と任期が異なります。大統領選がない年の上下両院の選挙は、中間選挙と呼ばれ、政権の信任投票の意味合いを持っています。
上院でも最も多いのは、下院と同じ5年です。イタリアなど全体の半分にあたる37カ国が採用しています。スペインなど15カ国は4年で、なかには8、9年と長期の国もあります。英国のように基本的に終身制の上院もあります。ドイツやロシアは、州政府などの代表で構成しています。解散は国によって制度が異なります。米国はありません。
(2021年4月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)