製薬会社ノバルティスファーマの高血圧治療薬を巡る臨床研究において、データの改ざんに関わったとして元社員が逮捕された。京都府立医大の医師に虚偽のデータを提供し、論文を専門誌に掲載された疑いが持たれている。府立医大以外でも慈恵医大など4大学でも、データ操作がなされたとのことである。ノバ社は東京大病院でも患者の個人の情報を不正に取得し、副作用報告もしなかったことが判明している。
臨床研究を巡る不正は後を絶たない。日本製薬工業協会は、自社製品の臨床研究を行う大学に対しては、寄附金を提供せず、データ解析を引き受けないことを申し合わせた。また政府は、第三者による監査など義務付ける。さらに厚労省は、罰則を伴う法整備の必要性を議論することにしている。
(2014年6月15日 読売新聞)
(吉村 やすのり)