1986年に男女雇用機会均等法が施行されて35年が経過しました。1990年ごろまでに就職した均等法第1世代の女性は今定年期を迎えています。総務省の労働力調査によれば、55~59歳の正規雇用で働く女性は約100万人です。男性の問題だった定年が、女性にも身近になりつつあります。
均等法第1世代の女性らの働く意欲は高く、電通が2019年に正規雇用で働く55~59歳の女性200人に調査したところ、定年まで働きたい・働く予定と答えた人は69%に上っています。そのうち67.4%が定年後も働く・働きたいと考えています。理由としては、将来お金がないと不安だからが55.9%と最多ですが、社会と関わっていたいが45.2%、働くこと/仕事が好きが26.9%を占めています。
管理職経験のない総合職の50代男女においては、職業生活の中で最もモチベーションが高かった時と比べ、現在の方が高い・同程度と回答したのは、男性の27.6%に対して、女性は43.3%にのぼっています。70歳までの雇用延長が企業の努力義務となったことで、今後は同じ会社で働き続ける人も増えると予想されます。女性は、50代から再び成長したいという気持ちが強くなる傾向があります。
(2021年4月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)