厚生労働省の調査によれば、過去5年間に勤務先で育児に関する制度を利用しようとした男性の26.2%が、育児休業などを理由にした嫌がらせパタニティーハラスメント(パタハラ)被害の経験があると回答しています。上司による妨害行為が多くみられ、経験者の42.7%が育休の利用を諦めた経験がありました。
過去5年間で1度でもパタハラを受けたのは、企業規模によって差があり、従業員千人以上だと21.7%だったのに対し、99人以下は31.1%と約10ポイントの開きがありました。誰からハラスメントを受けたかを尋ねたところ、役員以外の上司が66.4%で最多です。役員が34.4%、同僚が23.7%、部下が13.0%と続いています。
内容としては、育休制度などを利用させなかったり、取るのを邪魔したりする言動のほか、人事考課での不利益な評価やほのめかしなどが目立っています。ハラスメント経験者が、利用を諦めた制度としては、育休が42.7%で最も多く、残業や深夜業務の免除・制限34.4%、短時間勤務や始業時間の変更が31.3%に上っています。
(2021年5月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)