毛髪再生の仕組みの解明

理化学研究所などの研究チームは、髪の毛など体毛を生み出す組織が皮膚上でどのように形作られるのか、そのメカニズムを明らかにしました。毛を生やす毛包幹細胞が、従来の定説とは違う細胞からできていることを突き止めました。

(Nature 09 JUN 2021)

エクスビボライブイメージングという特定の細胞に蛍光の目印をつけ、生きた細胞一つ一つの動きや変化を見る技術を使って、マウスの胎児の毛包ができる様子を観察しました。その様子をビデオにとり、目当ての細胞を追いながら巻き戻すと、その細胞が元々どこから生まれたか、たどることができます。遺伝子解析もあわせると、毛包の基になる部分には同じ特徴をもった細胞が同心円状に並び、時間が進むにつれ、真ん中がくぼむように形を変えて筒状になることがわかりました。
将来的には、毛包がかかわる病気の治療法や、様々な細胞になれるiPS細胞などから毛包幹細胞を効率的につくる方法を開発して、毛髪の再生につなげるなどの応用が考えられます。

(2021年6月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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