RSウィルスの感染拡大

乳幼児が肺炎を引き起こすこともあるRSウイルス感染症が急増しています。2021年の感染者数の水準は過去3年を上回り、感染地域も広がっています。流行の詳しい原因は不明ですが、2020年は新型コロナウイルス対策で感染が抑えられたことから、その反動として免疫が弱い子どもが多い状況にある可能性が指摘されています。重症化リスクもあり注意が必要です。
RSウイルス感染症は、2歳までにほぼ100%かかるとされる呼吸器感染症です。発熱や鼻水といった軽症が多いのですが、生後6カ月未満や心疾患などがある乳幼児は重症リスクが高くなります。生後1カ月未満の新生児の場合は、夜間に無呼吸になり、突然死することもあります。感染力が強く、くしゃみや咳などの飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付着した手で目や鼻をこすったりすることで感染します。
例年は秋から冬に流行しますが、既に2018年のピーク時を超えています。RSウィルスにワクチンはなく、感染予防には新型コロナと同様、大人も手洗いやマスク着用などを徹底する必要があります。RSウィルスの感染の広がりは、家庭内で起きやすいとして、乳幼児がいる家庭での対策徹底が必要です。

 

(2021年6月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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