新型コロナウイルスの10代感染者の増加

新型コロナウイルスの第4波で、10代以下の子どもの感染が目立つようになってきています。従来型に比べ感染力が強い変異型に置き換わったことが背景にあります。3月以降、新規感染者に占める割合は1割以上に上っています。各地の学校や保育所で休校や閉鎖が相次いでいます。
2020年春の第1波では5%未満で、夏の第2波を含め同年中に1割を超えることはありませんでした。従来型は子どもを含む若年層には感染しにくいとされてきました。2021年の第3波ピークの1月に、1割を超えた時期はあったものの一時的でした。しかし、3月以降は状況が一変しています。3月4~10日に10%になると、5月の大型連休明けには14%に増加しています。直近の6月3~9日も13%となっています。

大きな要因は、変異ウイルスの急速な広がりです。感染力が従来型より3割強いとされる英国型は一気に拡大しました。英国型に加え、感染力がさらに強いインド型も各地で確認され、従来は感染確認が少なかった子どもの比率が高まっています。
青森市は保育所や幼稚園、小中学校、学童保育などで働く人を対象とする、もったいないバンクの運用を始めています。キャンセルが出た医療機関近くにあり、幼少の子どもが多い施設から順番に案内するとしています。子どもへの接種まで時間を要する中、保育士や教員ら最前線の人を優先することは必要です。

(2021年6月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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