骨髄バンク新規ドナー減少

骨髄バンクの新規ドナー登録数が、新型コロナウイルス禍の影響で大幅に減少しています。白血病などの治療のために骨髄の提供希望者を募る登録会を学校で開く機会が減ったことが響いています。大学や専門学校、高校など学校での登録会の開催数が、コロナ禍に伴う休校などで激減したことが影響しています。2019年度は848回だったのに対し、2020年度は197回にとどまっています。
日本骨髄バンクによれば、年間の新規ドナー登録数は、約2万7,500人だった2014年以降は年々増え、2018年は約3万5千人となりました。2019年は競泳の池江璃花子選手が白血病を告白した影響もあり、最多の約5万9,900人にまで増えましたが、2020年は2万8,900人に減少しました。2021年も回復傾向は見られていません。
骨髄移植は、白血病など正常な血液をつくれなくなる疾患の治療法です。血液のもとになる造血幹細胞を豊富に含む健康な人の骨髄液などを移植します。移植には、白血球の型であるHLA型の一致が条件で、移植が必要な患者は毎年約2千人います。白血球の型が患者と一致する確率は兄弟姉妹の場合で4人に1人ですが、非血縁者との間では数百人から数万人に1人と大きく下がってしまいます。

(2021年6月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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