パーキンソン病に対する音楽療法

パーキンソン病の症状改善に向け、音楽に合わせて手足を動かしたり歌ったりする音楽療法を取り入れる医療機関が出てきています。リズムを感じると歩きやすくなったり、声を出しやすくなったりするといわれています。医学的な効果はまだ完全には証明されていませんが、薬などの中心的な治療を補う可能性があります。
リズムのある音を刺激にして、自分でリズムを取って動けるように訓練するのが音楽療法です。言語療法士などによるリハビリの一環として実施する場合には保険適用されます。音楽療法は、あくまでも主な治療法である薬物療法の補助的な意味合いで用います。発症初期から中程度の患者には何らかの効果があるとみられていますが、科学的な検証はまだ十分ではありません。個人差も大きいとされています。
音楽療法はパーキンソン病だけでなく、認知症の症状緩和や改善などにも有効とみられています。認知症疾患診療ガイドラインでは、暴力や抑うつなどの行動・心理症状、不安などの改善に効果があるとされています。音楽は情動に働きかけ、興奮を静める効果があります。

(2021年6月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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