難民認定をめぐっては、日本で昨年1年間に難民や難民に準ずる保護が必要だとして、在留が認められた人数は91人にとどまり、欧米諸国と比べて極めて少数です。日本で2019年に難民認定を受けた人は47人しかいません。法相が個別の事情を考慮して、在留を認める在留特別許可などを含めても91人です。前年に申請した約1万人に対し、単純計算でも約1%にとどまっています。
日本と同様に、難民認定申請者が陸続きの国境からではなく、飛行機やボートでやってくるイタリアでは、昨年1年間の認定者数は約4,500人で、認定率は約11%です。在留特別許可などを含めると約1万人の約24%に上っています。日本の入管政策は、在留資格がない外国人を原則として入管施設に収容する全件収容主義です。仮放免などが認められない限り、収容が続くことになってしまいます。ドイツやフランスのように、拘束の必要性を裁判所で審査する仕組みを日本も取り入れるべきではないでしょうか。
(2021年6月16日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)