新型コロナウイルス感染症の後遺症調査

新型コロナウイルス感染症の後遺症の実態が、海外の大規模調査から明らかになってきています。米国の調査では、感染時に特に症状が出なかった人でも、約1カ月後に約2割が苦しんでいます。英国家統計局の調査によれば、約8%が倦怠感、約7%が頭痛や咳の症状が続いていると訴えています。
英オックスフォード大学などの新型コロナに罹った約24万人の後遺症の調査によれば、感染の半年後までに34%の人が、神経・精神関連の病気の診断を受けていました。強い不安が続くなどの不安障害が全体の17%と最も多く、うつなどの気分障害が14%と続いています。後遺症が起きるリスクは、インフルエンザなど他の呼吸器の病気に罹った場合よりも新型コロナの方が高く、不安障害や気分障害を初めて発症するリスクは、インフルエンザの約1.8倍、虚血性脳卒中のリスクは同約2倍でした。
国内での慶應義塾大学の調査によれば、診断から6カ月後の自覚症状を調べると、21%で疲労感や倦怠感、息苦しさが13%、睡眠障害が11%などにみられています。しかし、約8割の人は元の健康状態に戻ったとしています。金沢医科大学の研究チームによれば、入院・療養中に嗅覚障害になった感染者は57%、味覚障害になったのは41%でした。ただ退院から1カ月後には6~8割の人が改善したと回答しています。

(2021年6月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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