医療的ケア児の増加

医療的ケアとは、病気や障害があって、口からものが食べられない人におなかに開けた胃ろうから栄養や水分を入れたり、たんを機械で吸い取ったりすることなどを言います。こうしたケアを日常的に必要とする子どもが全国に約2万人いるとされています。医療技術が進んで、1㎏未満で生まれた赤ちゃんのようなかつては救えなかった命が救えるようになり、人工呼吸器など高度なケアを必要とする子どもも増えています。
医療的ケアは、医師や看護師などの資格を持つ人か、保護者じゃなければできないため、看護師が確保できないといった理由で保育園に入れなかったり、学校で常に保護者が付き添うよう求められたりしています。しかし最近になり、医療的ケア児が付き添いなしで通学し、他の子と机を並べて勉強している地域も出てきています。
こうした医療的ケア児に対する支援法ができました。法律には、国や地方自治体に保育園、学校に看護師を配置するよう支援する責務が盛り込まれました。これにより、学校の保護者付き添いが解消され、地域の格差が縮まることが期待されています。学校でのケアの担い手を介護福祉士などに広げることも、法律に盛り込まれました。

(2021年7月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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