テレワーク導入率向上のために

新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってテレワークが浸透し、働き方が変わりつつあります。国土交通省が3月に公表したテレワーク人口実態調査によれば、民間企業や官公庁などに勤める人のテレワークをしている割合は、2020年度に23%となり、前年度比8.2ポイント上昇しています。特に首都圏では、同15.3ポイント増の34.1%に達しています。
コロナ収束後は揺り戻しもあると思われますが、企業ではテレワークと出勤を効果的に組み合わせる方向が模索されています。業務内容により導入しやすさは異なりますが、まずメリットに目を向けてテレワークの定着を進めるべきです。市場や働く人の多様化に応じて、短時間勤務やフレックスタイム制、遠隔地への転勤を前提としないエリア採用など、多様な働き方の選択肢を提示することが重視されるようになりました。
テレワークを導入してもすぐにうまく運用できるとは限りません。どのように仕事を切り出してテレワークを行うか、評価はどうするかなど、明確にする必要があります。目の前にいない従業員は評価できないと思いがちですが、コミュニケーションを丁寧に取りながらマネジメントすることで、問題は克服できると思われます。

(2021年7月27日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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