人事院は、国家公務員が不妊治療のために特別休暇をとる仕組みを新設するとしています。2022年から年5日の有給休暇をとれるようにし、頻繁に通院する必要がある治療なら最大10日間認めます。民間で進む動きも参考に、働きながら治療を受けやすい環境を整えるとしています。
この有給休暇は、1日または1時間単位で取得できます。不妊治療は通院回数が多くなることが多く、時間単位で取得できることは便利です。国家公務員が率先して制度を活用できるようにし官民全体での普及を目指します。人事院の調査によれば、不妊治療の経験者や検討者のうち、治療と仕事の両立がかなり難しいとの回答が6割を超えていました。
不妊治療を受けているクライエントカップルにおける治療と仕事との両立は困難を極めます。今回人事院提言により、不妊治療のための特別有給休暇制度が民間にも広がることが大いに期待されます。不妊治療に関しては、保険適用が現在検討されていますが、まず実施すべきは治療と仕事の両立であり、仕事を続けながら治療を継続できるような環境づくりが必要です。
(2021年8月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)