国際的な世論調査によれば、日本は政治が重要と答える人が多い一方で、政治的な行動をとる人は少ない傾向がみられます。あなたの生活には政治は重要かという質問に対し、非常に重要、やや重要と答えた人の割合は日本では65%で、77カ国地域中6位でした。
トップはフィリピンの77%で、3位はミャンマーの71%でした。両国とも1980年代以降、民主化運動や政治体制の激変を経験しています。日々の生活や社会に政治が及ぼす影響を実感する人が多いと思われます。2位はスウェーデンの75%、4位はノルウェーの69%です。北欧の両国は高福祉高負担で知られ、消費税率は最大25%にのぼります。高い税金を集めて再配分する政治の役割は大きくなっています。
政党に加わって実際に活動していますかの質問に対し、していると答えた人は、日本とドイツではともに1.4%でした。日独は政治は重要と答える人が多いものの、政党に参加する人は少ない傾向にあります。米国の政党参加は19%にのぼっています。
(2021年8月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)