女性が活躍している国、つまり女性の高い就労率を示す国は出生率も高い傾向がある。つまり女性就業率と出生率は正の相関がある。女性の就業率が70%を越える北欧諸国は、合計特殊出生率も2.0前後を示している。一方で、東アジアの国々は出生率も女性就業率も低く、男女の役割分担の意識が強いことが影響している。
女性の働きやすさという観点からも日本は先進国の中では見劣りする。長期労働時間が多く、女性の家庭での家事労働の負担が大きい。そのため管理職に占める女性の割合が低く、要職への女性の登用は欧米に遠く及ばない。女性の働きやすい環境づくりが、少子化の危機突破のキーであることを国民全体が認識すべきである。
女性の活躍を支える環境づくりは、今後の少子化対策や経済成長に急務である。
(わが国の少子化を考える:吉村泰典)
(吉村 やすのり)