核燃料サイクルの現状

核燃料サイクルは、再処理工場で核燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて混合酸化物(MOX)燃料にして、原発で使う仕組みです。将来的に、MOX燃料の再処理も計画しています。
しかし、日本はプルトニウム約46トン(英仏保管分37トン)を保有しています。こちらの削減が優先で、再処理の必要がありません。MOX燃料のみを使う青森県の電源開発大間原発は建設中で、稼働時期は不透明です。普通の原発で、MOX燃料を使うプルサーマル発電ができる原発は現状4基しかありません。2030年度までに12基に増やす目標も、達成は見通せていません。
要だった福井県の高速増殖原型炉もんじゅの廃炉決定で、政策の破綻が明白となってからも、一向に見直しが立っていません。原発から出る核のごみの最終処分場は、依然として決まっていません。

(2021年9月20日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

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