わが国の食料自給率の低下

食料自給率とは、国内で1年間に食べる食料のうち、国産でまかなえている割合を示します。食料を熱量に置き換えて計算したカロリーベースの自給率は、2020年度は37.17%となり、過去最低でした。1965年度の約半分の水準です。日本人の米離れが進み、パンや麺を食べる量が増えたことが一番の原因です。ほとんどが国産の米に対して、パンや麺の原料になる小麦は多くを輸入に頼っています。
世界的な食料不足になった時、十分な食料が確保できなくなることが心配されています。人口の増加や発展途上国の生活水準の向上で、世界全体で必要な食料の量は増えていますが、地球温暖化による異常気象などで、穀物が不作になるリスクは高まっています。政府は十分な食料を確保する狙いで、2030年度の食料自給率をカロリーベースで45%、生産額ベースで75%まで高めることを目標にしています。
自給率を高めるには、多くを輸入に頼っている小麦や大豆などを国内でもっと作れるようにすることが必要になります。食べられるのに廃棄される食品ロスを減らすことも大切です。無駄をなくせば、その分、輸入する量も減らすことができます。

(2021年9月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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