10月1日に第69回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会が開催され、HPVワクチンの積極的勧奨再開に向けての議論が開始されることになりました。
HPVワクチンは2013年4月に原則無料の定期接種になりましたが、副反応の訴えが相次ぎました。厚生労働省の検討部会は、2カ月後の6月に副反応の頻度がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないと判断し、厚労省は自治体に接種を積極的に勧奨しないよう通知しました。
中止から8年たち、ワクチンに関するデータが国内外から集まってきています。勧奨の再開の時期は未定ですが、田村憲久厚労相は9月17日の記者会見で審議の内容によっては、来年度から始まるということも否定しているわけではないと話しています。委員からは、副反応が出ている人への寄り添う対応が行われ、情報提供もされている、積極的勧奨を再開する時期に来ているなど、再開を支持する意見が相次ぎました。
部会において、HPVワクチンの安全性や有効性に関する議論が深められ、一日も早い積極的勧奨の再開が望まれます。接種の機会を逃したすべての希望者を定期接種の対象とし、接種費用の補助だけでなく、接種後に症状が出たときにも予防接種法にもとづく救済ができるようにするべきです。
(2021年10月2日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)